この記事ではOTTYさんが合成数大富豪 Advent Calendar 2025 で出題・解答した詰め合成数大富豪(略称:詰め合、詰め素*1 )の問題の内、いくつかについて解説するとともに、基本的な解法を整理していきたいと思います。
5:2445889QQ
11:4578889QQK
12:AA499999TQQ
この3問で、解説したいテクニックは大体尽くせると思います。残りの問題はぜひ楽しみに自分で解いてみてください*2。この3問も自分で解きたいという人にはブラウザバックをお勧めします。
ステップ1:奇数の数に着目しよう!
まず解の形を大まかに予想することを考えます。中には解の形が全く定まらないような難しい詰め合もありますが、パズルとして楽しめるように考えられたものでは、解の形がかなり定まることが多いです。特に、奇数の数に着目すると*3
・奇数が2個以下→2の冪乗を使うことが多い
・5が2つあり奇数がもう一つ→5ばいめーかーが多い
・奇数が3個→p×q=pq型が多い
あたりが重要です。パズルとしてみると、大きな素数の冪乗とかがあると解けないので、このようになりやすいのだと思います。
例として5番:2445889QQをみてみましょう。奇数が9しかなく、p×2^aの形であることが予想されます。また11番:4578889QQKも2や3などの小さい素数がなく、奇数が3個なのでpq型が予想されます。
解の形は、他の方法を併用することで段々と定まっていきます。次のステップに進みましょう。
ステップ2:桁数に着目しよう!
はじめにクイズです。一般にa桁の数とb桁の数をかけると何桁の数になるでしょうか?
答えはa+b桁かa+b-1桁です。これは2数をx×10^(a-1),y×10^(b-1)と置いてみるとすぐ分かり、xy≧10のときa+b桁となることもわかります。xy≧10なることを繰り上がりがある、ということにします。このx,yは大体、2数の最上位の数であることに注意してください。以下、ある数mの桁数を(m)、で表します。
では11番:4578889QQKを例に考えてみましょう。p×q=nという形が予想されるのでした。まず(p)+(q)+(n)は与えられた手札から13と分かります。ところが(n)=(p)+(q)または(n)=(p)+(q)-1だったので、(n)=6がわかり、さらに(p)+(q)=7です。しかも、繰り上がりがないです。ここから、この手札ではp,qのいずれかはQやK始まりであることもわかるのです。
ステップ3:mod10に着目しよう!
下一桁は定まりやすいです。詰め合には絵札があるため、場合によっては下二桁も定まることがあるでしょう。特にpq型では有効な手法です。また11番:4578889QQKを例に考えてみましょう。下一桁からは9×K=7,7×9=Kのいずれかであることがわかります。さらに、9×K=7の場合にmod100を考えると、49×K=37,59×K=67,89×K=57,Q9×K=77のうち、あり得るのは89×K=57のみであることも分かります。
ステップ4:mod3に着目しよう!
mod3やmod9を考えるのは、10進法での詰め合において有効です。特にpq型など冪乗を含まない形では考えやすいです。p,qが3でない時、p×q=nという(p,q,n)の組みに対して、mod3の組み合わせとしてあり得るのは、(1,1,1),(1,2,2),(2,1,2),(2,2,2)の4通りであり、p,q,nの合計は0か2であることが分かります。この合計の値は手札から知ることができ、手札のmod3と呼んでいます。
再び11番:4578889QQKを例に考えてみましょう。手札のmod3は4+5+7+8+8+8+9+Q+Q+K=86=2です。よって(p,q,n)は(1,2,2)または(2,1,2)という組みであることがわかりました。さらに手札のmod9も考えてみましょう。これは5であることがわかるので、(p,q,n)のmod9は(1,2,2),(4,2,8),(7,2,5)の3通り(p,qは入れ替え可能)のみとわかります。
さらに12番:AA499999TQQについても考えてみましょう。手札のmod9は4,mod3は1とわかります。すると上記のことからpq型ではないとわかり、pqr型が予想されます。p×q×r=nなる(p,q,r,n)のmod3の組みは(1,1,1,1)(1,1,2,2),(1,2,2,1),(2,2,2,2)しかないため、この場合(1,1,1,1)のみが適しているとわかります。すると、mod9の組みは(1,1,1,1),(4,4,4,1),(7,7,7,1),(1,4,7,1)のみであることもわかります。*4
このようにmod3でまず考え、その結果を使ってさらに情報を得たい時にmod9を考えると良いでしょう。pqrs型のmod3,9の考察は演習問題とします。
例題3つを解いてみよう!
今までの内容を総合して考えていくことで、3つの例題を全て解くことができます。以下に思考例を書いていきます。(以下常体)
5:2445889QQ
p×2^a型が予想されるのだった。a=1すなわちにばいめーかーができないことはQを使う因子が存在しないためすぐに分かる。pの下一桁は9しかなく、特にa≠9である。
a=8のとき:256×p=nの桁数を考えてみると手札から、(p)+(n)=9で、(n)=(p)+3より(p)=3,(n)=6。3桁の素数は449,859しかないが、2,8を除いた手札のmod3は0で(256,p,n)のmod3は(1,1,1)しかないから449は不適。*5859も最上位の数を考えると(概算すると)nが2始まりになり不適。
a=Qのとき:4096×p=nの桁数を考えて(p)=2,(n)=6,繰り上がりあり。2桁の素数は59,89のみであり、nの最上位の数を考えていずれも不適。
a=4のとき:16×p=nの桁数を考えて(p)=4,(n)=5,繰り上がりなし。4はnの下一桁なので、pの最上位は5かQしかない。Qはnの最上位を考えて不適。するとpは5889,5Q9のいずれかだが、5889は3の倍数で不適。5Q9は23の倍数で不適*6。
a=5のとき:32×p=nの桁数を考えて(p)=4,(n)=5,繰り上がりなし。よってpはQ始まりで、素数はQ49,Q89しかない。概算で、32×1250=40000よりQ49は不適。Q89は2^5×Q89=4Q48で適することがわかる。
11:4578889QQK
pq型が予想されるのだった。まず下二桁が89×K=57の場合について考える。(p)+(q)=7かつ繰り上がりなしであったから、pもqもKでなければ、p,qの最上位は4,Qの組みしかないが、489,4Kは共に素数でなく不適。よってp=Kとできるが、qの先頭桁が何であってもnの先頭桁に適するものがないとわかる。
以上より下一桁は7×9=Kである。さらにmod100を考えると07×59=Kしかないことがわかり、とくにp=7とできる。ステップ2からqはQ始まりの6桁の数であり、ステップ4からqのmod9は2とわかる。よってあり得るのはQQ59,Q4859,Q8459しかなく、概算すればQQ59のみが適し*7、7×QQ59=8488Kとなることがわかる。
12:AA499999TQQ
pqr型が予想されるのだった。pq型の応用でpqr=nの桁数を考えると、(n)=(p)+(q)+(r)-0or1or2であるから、(n)=(p)+(q)+(r)=7で繰り上がり2、または(n)=6,(p)+(q)+(r)=8で繰り上がり0とわかる。
前者について、一桁の素数が無いことから、(p)=(q)=2,(r)=3としてよい。二桁の素数は11,19,41しかなく、(p,q)=(19,19),(19,41)となるが、いずれも繰り上がり2に矛盾する。
後者について、( (p),(q),(r) )=(2,2,4),(2,3,3)である。(2,2,4)のときやはりp=q=19であり、繰り上がり0からrの最上位はTまたはQである。しかし最上位Tだとr<1100よりnの最上位が3で不適。よってr=Q49しかないが、これはステップ4のmod9に矛盾する。ゆえに( (p),(q),(r) )=(2,3,3)である。
p=11はmod10が1×9×9=9となって不適。p=41のとき、繰り上がり0からnの最上位は9となるしかなく、Q始まりの3桁素数はないから、q,rのいずれかは19始まりすなわち199となる。しかしまたmod10が1×9×9=9となり不適。よってp=19であり、mod10は9×9×9=9であることも分かる。
ここでq,rとしてあり得る3桁の素数はT9,199,919,149,419,499の6個のみで、nの最上位と繰り上がり0を考慮すると(q,r)=(T9,199),(T9,419)のいずれかであり、さらにステップ4のmod3から(T9,199)に絞られることがわかる。よって、あり得る解は19×T9×199=4QQ9のみとなり、実際にこの等式が成立していることが確かめられる。
まとめ
紹介した方法を組み合わせることで、無事に3つの例題を解くことができました。このように、桁数やいくつかのmodなどの簡単な情報から、かなり解を絞っていくことができます。特にpq型について有効であることがわかっていただけたと思います。ぜひこの記事の方法を組み合わせてさまざまな詰め合成数パズルを解いてみてください。
ちなみに詰め合成数大富豪スケルトン(詰合大助)では解の形が始めから分かっているので、よりこの記事の方法が有効に働きます*8。まずはこのパズルから解いてみるのもお勧めです。
(注意)少なくとも1時間くらいはかかるので十分時間のある時に解きましょう。

